Embracing-damage(2021)

 博士学位審査提出作品。「陶𡑮」を定義し制作した作品のうち、最も初期の作品である。本作は、やきものの制作プロセスにおいて水蒸気爆発によって割れたやきものを「陶𡑮」によって造形した作品。やきものにおいて割れることは予測できないため、この現象も止むを得ないことであった。しかし窯を操作していたのは作者自身であり、この割れたやきものを目の前にして、やきものの生命を途切れさせてしまったことに自責の念が生まれた。割れたやきものと漆の組み合わせた主な表現には、金継ぎがある。金継ぎは、やきものの割れを装飾することで、やきものの割れに新たに価値を見出す美学であるが、本作は従来の美学や素材の関係を拡張し、「陶𡑮」によって割れたやきものから新たな表現を形にした。また、穴窯の焼成による自然釉の色彩や流れを螺鈿によって装飾することで、やきものと漆の装飾が調和した表現も試みている。

作品「Embracing-damage」画像

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素材:陶土、呉須、漆、麻布、銀粉、鉄、夜光貝、ニュージーランドアワビ薄貝など
技法:轆轤成形、穴窯焼成、漆の焼き付け、脱活乾漆、螺鈿
制作年:2021
個人蔵・作家蔵
第5回金沢・世界工芸トリエンナーレ出品
国際漆展・石川2023出品作品

第5回金沢・世界工芸トリエンナーレ出品作品
作品「Embracing-damage」画像

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第5回金沢・世界工芸トリエンナーレ会場風景

第5回金沢・世界工芸トリエンナーレ会場風景

 

国際漆展・石川2023出品作品

作品「Embracing-damage」画像

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