embracing-damage2023 003/004 百間窯

百間窯※から出土した陶片の失われた部分を、脱活乾漆技法で形を作っている。割れたことで、一度は日常の生活から切り離され、記憶が途切れたやきものに、この作品を手に取った現在の人によって、再び記憶が紡ぎ出されていく作品。この作品シリーズ金継ぎの美学を拡張したものとして以前から継続的に制作してきたが、本作では新たな展開として、本来異なる器であった陶片を組み合わ出ることで”呼び継ぎ”の美学としての展開を試みている。

※百間窯跡(肥前磁器窯跡)は、17世紀前半に操業していたと考えられており、板ノ川内(佐賀県有田町)の尾根の西斜面を東から西へ登る階段状連房式の登窯である。発掘調査で確認された焼成室の規模は、幅3.6m、奥行1.6m。焼成されたやきものには、染付を主体に白磁や青磁等の磁器などがみられ、碗や皿・鉢・壷・水指など多くの日常生活のためのやきものが焼かれたことで知られている。

作品「embracing-damage2023 003/004 百間窯」画像

「embracing-damage2023 003 百間窯」(左)
「embracing-damage2023 004 百間窯」(右)
サイズ:(左)80 * 90 * 90、(右)73 * 90 * 90(H*W*D/mm)
素材:百間窯陶片、漆、麻布、金箔
技法:漆の焼き付け、脱活乾漆、箔絵
制作年:2023
個人蔵・作家蔵

作品「embracing-damage2023 003/004 百間窯」画像

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